abe house 2023

構造と空間・家の公共性について

家そのものが、家族のための公共空間にはなり得るだろうか。
空間と構造の新しい関係性から、家の公共性について考えてみたい。
この計画は都心でも郊外でもない住宅地に建つ、6人の家族の暮らす家。家族とは、強い結びつきがありながらも、それぞれが自立した個人の集まりである。そのような個人同士の関係を尊重し、親密な距離と個人の距離が同時に存在する空間を構想した。
複数の小さな中心と周縁が、構造体によってぐるりとひとつに連なる。ここでは自律する構造体は「もうひとりの他者」となり、永続的な中庭と共に、家族とのあいだを取り持つ。その全体像は異なる複数のパースペクティブの集積によって知覚され、一義的な解釈に留まらない、多様な領域認識を得ることで、各々が自由に過ごせる環境が生まれる。生活のための器であることを超えて、人と建築が対等な関係を築けたとき、家は家族の公共空間になる。

  • 主用途
    専用住宅
  • 設計
    針谷將史建築設計事務所
  • 担当
    針谷將史、野村郁人
  • 構造
    小西泰孝建築構造設計
  • 照明
    岡安泉照明設計事務所
  • カーテン
    Talking about Curtains
  • 施工
    株式会社まつもとコーポレーション
  • 規模構造
    鉄骨造地上2階建て
  • 敷地面積
    293.92m2
  • 建築面積
    104.50m2
  • 延床面積
    190.35m2
  • 設計期間
    2020年11月〜2022年1月
  • 工事期間
    2022年2月〜2022年12月
  • 写真
    西川公朗